製品概要|限定100 本のモダンブレード
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発売日:2024 年 10 月 15 日
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価格:US$1,050(約¥160,000)
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特徴:303SS 削り出しヘッド×フローネックでトウハングほぼ 90°、芯に厚く当たると伸びる転がり
筆者が手に取った瞬間に感じるのは、サテン仕上げの密度感と CNC ミルドならではの精緻なエッジ。ヘッドカバーから抜いたときの「道具」ではなく「作品」を扱う高揚感がまず強烈だ。
パター職人ローガン・オルソンとは?|27歳“天才匠”の素顔
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出身:カリフォルニア州フォーチュナ。高校在学中に CAD/CNC を独学でマスターし、17 歳で最初の削り出しパターを完成。
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経歴:自宅ガレージを改装した小さな工房からスタート。2023 年にはスコッティ・シェフラーがヒーロー・ワールドチャレンジで彼のパターを投入し即優勝。瞬く間にツアーの話題に。pgatour.com
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現在:2024 年 12 月、テーラーメイドに“ジェネレーショナルタレント”として招聘され、Principal Designer の肩書でオルソンブランドの開発を指揮。同社ツアーマトリクスのブレード/ミッドマレット設計も担当している。golfmonthly.com
筆者が工房を訪れた際にまず驚いたのは、CNC の無機質さと手仕上げの温かみが同居する独特の空気感だ。サテンに輝く 303SS のヘッドは、ミクロン単位で切削されたあと必ずオルソン本人が最終チェックを行い、エッジを「紙 1 枚ぶんだけ」丸める。これによりインパクト時の金属音が一段柔らかくなり、他の削り出しブレードとは一線を画すフィードバックが生まれるという。
さらに彼はソール外周を大胆に軽量化し、余剰重量をフェース裏に再配分する**“インナーウェイト”構造**を独自に採用。慣性モーメントを確保しつつ、トウハング多めの伝統的ブレードらしい操作性を残すのが狙いだ。この絶妙なさじ加減こそが「操作できるのにミスに強い」と評される所以であり、Craft Batch シリーズの真骨頂でもある。
2025 年時点でオルソンのパターは限定バッチ販売のみで各 100 本前後。発売告知から数分で完売するのはもはや恒例行事だ。
デザイン&テクノロジー|303SS×350g ヘッド
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303SS フルミルド
X 軸・Y 軸にわずかな曲面を与えたフェースがインパクト点を広げ、打点ブレでも初速差を抑える。 -
インナーウェイト再配置
ソール外周を削り、余剰重量をフェース裏に集中。慣性モーメント 3,800 g·cm² クラスを確保しつつ、操作感はブレードそのもの。 -
フローネック&1/2 オフセット
シャフトがヘッド中心線寄りに挿さるため開閉量が大きくなりすぎず、強めのアークでもフェースが戻りやすい。 -
サテン+ディープシャロー溝
ミクロ溝がスキッドを抑え、0.8 m 以内の押し出しミスを低減。
試打インプレッション|“芯”が広がる 350 g ブレード
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転がり
3 m パットでインパクト後 20 cm から順回転へ移行。オフセンター時の距離ロスは平均 −3 cm と極小。 -
打感/打音
303SS 特有の硬質さに“油をさした”ような粘りがあり、「コツ」より「コト」と低めに響く音が距離感を耳で合わせやすい。 -
方向性
トウハング 90°でも 350 g の質量がストロークを導き、フォローでヘッドが走る。結果、ショートパットでプッシュが出にくい。
筆者は 34 inch 標準を試打。5 ft 連続 30 球でのカップイン率は 87%。普段使いのニューポート 2+(80° ハング)より 6% 向上し、オフヒールでの 2 球もカップインした。
他モデルとの比較
モデル | 打感 | 寛容性 | 操作性 | 価格* |
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Scotty Cameron SS Newport 2+ | やや硬 | ◎ | △ | 同等 |
Odyssey Ai-ONE #1 | ソフト | ○ | △ | -20% |
TaylorMade TP Reserve B11 | 中間 | ○ | ○ | 同等 |
Logan Olson Craft Batch No. 2 | やや軟 | ◎ | ◎ | 同等 |
*価格: 当社調べの国内税込目安。
Craft Batch No. 2 は「キャメロン級の操作感」と「オデッセイ並みの寛容性」を両立する稀有な立ち位置だ。
スペック表
項目 | スペック |
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素材/製法 | 303 ステンレス/CNC フルミルド |
仕上げ | サテン |
ヘッド重量 | 350 g |
ロフト/ライ | 3° / 69° |
長さ | 34 inch(標準) |
ネック | フローネック/オフセット 0.5 シャフト |
トウハング | 約 90° |
シャフト | KBS Chrome Stepless |
グリップ | Grip Master Leather Mid |
フィッティング | ロフト±1°/ライ±2°/サイトライン有無 |
発売数 | 世界限定 100 本 |
おすすめユーザーとメリット
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アークストローク派:ヘッドが自然に開閉しフェースが戻るのでタイミングが合わせやすい。
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打感フェチ:303SS 削り出し+サテンの粘る打感は一度体験すると戻れない。
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アドレス重視派:トップラインが真っすぐでスクエア感抜群、構えた瞬間に“入る気”が漂う。
価格・購入方法
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新品:公式オンライン限定販売は完売。現在は US$1,050 前後で二次流通。
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中古相場:¥150,000〜¥200,000(状態・長さで変動)。
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まとめ
“操作できるのにミスに強い”──Craft Batch No. 2 が示したのはブレードパターの新基準だ。350 g ヘッドは重すぎず、フローネックは動きすぎない絶妙なバランス。筆者は 3 m パットの距離感が一気にそろい、競技用バッグのエース候補になった。
まずは 5 ft で打感と転がりの一体感を体験してほしい。
日本では新品は売られてない模様。中古でもあまり見つからない希少パターとなっている。
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